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三浦綾子

        
category - 本棚

母 / 三浦綾子

2009/ 08/ 26
                 
「蟹工船」の著者・小林多喜二の母が、自分の生涯と家族のことを語っています。
明治から昭和初期、日本に貧しい人がたくさんいた時代の話で、
家族のために身売りをする娘が多い世の中を憂い、
「だからね、母さん、貧乏人のいない世の中ばつくりたいと、心の底から思って、
おれは小説を書いてる」と、多喜二は言っていたそうです。
「母さん、人間は、物でも、動物でもないんだ。もっと貴いものなんだ。
それを売っただの買っただのして、よいもんだろうか。
金の力で、いやだいやだという女を、男の思いのままにして、いいもんだろうか」
と、多喜二のとても優しい人柄が伝わってきます。

多喜二は、何のために命がけで小説を書いていたのか?
なぜ小説を書いただけで、警察の拷問によって殺されなければならなかったのか?
よくわかりました。
とても読みやすい小説なので、この本を読んでから「蟹工船」を読むと、
時代背景がわかりやすいと思います。

母というありがたい存在を、しみじみ感じさせてくれる小説です。

蟹工船は、今夏、松田龍平さん主演で映画化されました。
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